譲渡担保とは

譲渡担保とは、債務者又は第三者(物上保証人)から債権者(譲渡担保権者)に対し、担保目的物の所有権を形式上譲渡(移転)し、債務が弁済されない場合には、当該目的物について、譲渡担保権者が他の債権者に優先して自己の債権の弁済を受けることができる制度をいいます。

ただし、譲渡担保の内容は契約次第であり、譲渡担保には様々な形態があります。

譲渡担保の目的物

譲渡担保の目的物については、特に制限がなく、動産、不動産、債権その他多種多様の財産を目的物とすることができます。

内容が変動する集合物(倉庫内の在庫商品等)であっても、その種類、所在場所及び量的範囲等によって目的物の範囲が特定される場合には、一個の集合物として譲渡担保の目的物とすることができます。

譲渡担保を設定した後に、目的物を引き続き提供者(譲渡担保設定者)に占有・使用収益させることもできます。

そのため、譲渡担保は、動産を譲渡担保設定者に使用させたまま担保とする場合に、多く利用されます。

優先的弁済を受ける方法

譲渡担保権者が優先的弁済を受ける方法としては、主に次の2つの方法があります(これも契約次第です)。
ただし、いずれの方法による場合でも、目的物の評価額又は処分額と債権額との差額は、譲渡担保設定者に返還(清算)しなければなりません。

・譲渡担保権者が目的物の所有権を自己に帰属させる方法。

・譲渡担保権者が目的物を売却して、その代金から優先的に弁済を受ける方法。

ポイント

担保に適する不動産はないものの、担保に適する動産その他の財産がある場合には、譲渡担保の取得を検討すべきです。

※不動産を譲渡担保の目的物とすることも可能です。