根抵当権とは

根抵当権とは、一定の範囲に属する(増減変動する)不特定の債権を、一定の限度額(極度額といいます)の範囲内で担保する、特殊な抵当権をいいます。

例:債権者と債務者の間の売買取引によって生じる債権を、1億円の範囲内で担保する根抵当権を、債務者所有の不動産に設定する。

普通の抵当権との違い

普通の抵当権との最も大きな違いは、根抵当権によって担保される債権が「不特定である(増減変動する)こと」です。

そのため、継続的取引によって生じる債権の担保としては、普通の抵当権よりも根抵当権の方が適しています。

元本の確定

根抵当権によって担保される債権(元本債権)は、一定の事由(確定事由)が発生したときに確定(特定)します(これを「元本の確定」といいます)。

元本の確定により、確定時に存在した債権(元本債権)のみが担保されることになります(その元本債権から生じる利息等は、極度額の範囲内で担保されます)。

主な確定事由は、次のとおりです。
・根抵当権設定契約の当事者が合意で定めた確定期日が到来したとき。
・根抵当権者が確定を請求したとき。
・根抵当権設定者が確定を請求したとき(ただし、根抵当権設定後3年を経過しないと、この請求はできません)。
・債務者又は根抵当権設定者(物上保証人)が破産手続開始の決定を受けたとき。

元本の確定により、根抵当権の性質は、普通の抵当権に近いものとなります。

優先的弁済を受ける方法

優先的弁済を受ける方法は、普通の抵当権と同様です。

ポイント

継続的取引をする場合で、かつ担保に適する不動産がある場合には、根抵当権の取得を検討すべきです。