<Q>
翻訳権・翻案権等とは、どのような権利ですか?

<A>
著作者は、その著作物を翻訳、編曲、変形、又は翻案する権利を専有します(著作権法第27条)。

すなわち、著作者は、二次的著作物(原著作物を元に、新たに創作的な表現が付加されたもので、かつ原著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得できるもの)を創作する権利を専有します。

ここで翻訳とは、言語の著作物(原著作物)を異なる体系の言語に変換することをいいます。

編曲とは、音楽の著作物(原著作物)をアレンジすることをいいます。

変形とは、著作物(原著作物)を他の表現形式に変換することをいいます。
例えば、絵画を彫刻にしたり、写真を絵画にしたりすることは、変形に該当します。

翻案とは、著作物(原著作物)を元に、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、新たに創作的な表現を付加することにより、原著作物とは別の著作物を創作することをいいます。
例えば、小説を映画化することは、翻案に該当します。

※翻訳、編曲、変形、翻案のうち、どの類型に該当するかを厳密に判断する必要はありません(どの類型に該当しても法的効果は同じです)。
二次的著作物の創作に該当するか否かを判断すれば足ります。

<補足>
二次的著作物とは、著作物を翻訳、編曲、変形、又は翻案することにより創作した著作物をいいます(著作権法第2条1項11号)。

これを言い換えると、二次的著作物とは、原著作物を元に、新たに創作的な表現が付加されたもので、かつ原著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得できるものをいいます。

二次的著作物となるためには、原著作物に創作的な表現が付加されている必要があります。
創作的な表現が付加されていない場合は、原著作物の「複製」となります。

また、二次的著作物となるためには、原著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得できる必要があります。
上記の特徴を直接感得できない場合は、原著作物とは別個独立の著作物となります。