<Q>
契約書に代わる証拠として、どのようなものを確保すればよいですか?
<A>
契約書に代わる文書(裁判所に文書として提出できるもの)を確保しておいてください。
<解説>
契約書を作成しなかった場合には、契約書に代わる「証拠」を確保しておく必要があります。
それでは、どのようなものを「証拠」として確保しておけばよいのでしょうか?
民事裁判では、通常、「文書」と「法廷での供述・証言(=当事者や証人の供述・証言)」が証拠とされます。
※上記以外のものも、証拠とすることができます。
ただし、裁判所は、「法廷での供述・証言」よりも「文書」を重視する傾向があります。
※契約書は最も重要な文書ですので、裁判所は契約書を最も重視します。
当サイトで「契約をするときは、必ず契約書を作成してください」と説明しているのは、そのためです。
そこで、何らかの事情があって契約書を作成しなかった場合には、契約書に代わる「文書」を確保しておいてください。
例えば、契約書を作成しなかった場合でも、契約内容(取引条件等)を郵便やFAXで確認し合えば、契約書に代わる「文書」を確保することができます(契約書ほどの証明力はありませんが)。
なお、元々は「文書」でなくても、「裁判所に文書として提出できるもの」であれば大丈夫です。
例えば、電子メールは、印刷すれば文書になるため、裁判所に文書として提出できます。
口頭の会話や電話も、ICレコーダー等で録音しておけば、録音内容を書面化(文字起こし)することにより文書になります。
したがって、契約内容(取引条件等)を電子メールでやり取りしたり、会話録音で残したりしておけば、契約書に代わる「文書」を確保することができます(契約書ほどの証明力はありませんが)。
他方、前述のとおり、裁判所は、「文書」と比較して、「法廷での供述・証言」を重視しない傾向があります。
したがって、「いざとなったら立会人や関係者が法廷で証言してくれる」等と考えて「文書」の確保を怠ることは危険です。
契約書を作成しなかった場合には、必ず、契約書に代わる「文書」(裁判所に文書として提出できるもの)を確保しておいてください。