<Q>
民法の基本原理のうち、特に重要なものは何ですか?
<A>
「私的自治の原則」と「過失責任の原則」です。
<解説>
各種の法律(民法、商法、刑法等)は、それぞれの法律ごとに、一定の基本原理(基本的な考え方、原理原則)に基づいて作られています。
したがって、法律を理解しようとするときは、その法律の基本原理を理解する必要があります。
法律の基本原理を理解すれば、その法律の個々の条文(ルール)の方向性は、ある程度推測することができます。
法律の個々の条文(ルール)の解釈・適用も、その法律の基本原理を踏まえて行うことになります。
民法の基本原理のうち特に重要なものは、「私的自治の原則」と「過失責任の原則」です。
ここでは、これらの定義のみを示しておきます。
私的自治の原則
=「市民社会においては、私人がその意思に基づいて法律関係(権利義務関係)を形成することができる」という原則
過失責任の原則
=「私人は、故意又は過失に基づいて他人に損害を与えた場合にのみ、損害賠償の責任を負う」という原則
※私人(しじん)とは、国家という立場を離れ、私的な立場からみた個人や団体をいいます。
※上記の基本原理も絶対的なものではありません。
民法の個々の条文(ルール)の中にも、上記の基本原理を修正しているものがあります。