<Q>
A氏はB氏に虚偽の事実を告げて、B氏から100万円を騙し取りました。
(=A氏はB氏に詐欺行為をしました)
上記の事案では、民事法と刑事法のどちらが問題となりますか?

<A>
民事法と刑事法の「両方」が問題となります。

<解説>
法律は、民事法と刑事法に分類されます。

※民事法=私人間の法律関係を規律する法律
※刑事法=国家の刑罰権の行使を規律する法律

これを質問の事案についてみますと、

まず、A氏はB氏から100万円を返せ(又は100万円の損害賠償をしろ)と請求される可能性があります。
これは私人間の法律関係ですので、民事法の問題です。

また、A氏は詐欺容疑で逮捕・起訴され、有罪判決を受けて、刑務所に収容される可能性があります。
これは刑罰権の行使ですので、刑事法の問題です。

このように、質問の事案では、民事法と刑事法の両方が問題となります。

そのため、A氏に対しては、民事訴訟と刑事訴訟の2つの訴訟が提起される可能性があります。
この2つの訴訟は別個の訴訟であり、別々の裁判所で(別々の裁判官によって)審理されます。

※民事訴訟=民事法の問題を審理する訴訟
※刑事訴訟=刑事法の問題を審理する訴訟