<Q>
ネット通販においては、特定商取引法により、一定の場合に消費者の返品権(売買契約の申込みの撤回又は売買契約の解除)が認められます(これを法定返品権といいます)。

この法定返品権が認められるのは、どのような場合ですか?

<A>
ネット通販において、法定返品権は、次の①から③の要件を全て充たす場合に認められます。
①事業者が商品又は指定権利の販売条件について広告をしたこと
②売買契約に係る商品の引渡し又は指定権利の移転を受けた日から起算して8日を経過するまでの間であること
③消費者の返品の意思表示が事業者に到達したこと

※ネット通販は、特定商取引法上の「通信販売」に該当します。

※指定権利とは、施設を利用し又は役務の提供を受ける権利のうち国民の日常生活に係る取引において販売されるものであって政令で定めるものをいいます。

ただし(ここが重要な点ですが)、上記①から③の要件を全て充たす場合であっても、事業者が、返品についての特約を広告に表示し、かつ、申込みの確認画面においても当該返品特約を記載していたときは、法定返品権は認められません。

上記の「返品についての特約(返品特約)」には、返品は認めない旨の特約も含まれます。
したがって、事業者が、返品は認めない旨の特約を広告に表示し、かつ、申込みの確認画面においても当該返品特約を記載していたときは、法定返品権は認められません。

※法定返品権が認められない場合でも、売買契約に取消事由(詐欺等)、無効事由(錯誤等)、解除事由(事業者の債務不履行、目的物の瑕疵等)があるときは、消費者からの返品が認められる場合があります。
(法定返品権は、売買契約に上記事由がないときでも、消費者からの返品を認めるものです)