<Q>
ゲームソフトの影像は、映画の著作物となりますか?

<A>
ゲームソフトの影像は、次の要件を全て充たすときは、映画の著作物となります。
(1)映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現されていること
(2)物に固定されていること
(3)著作物であること

なお、ゲームソフトの影像が、映画の著作物とならないとしても、一般の著作物となる可能性はあります。
この点、映画の著作物には頒布権が認められていますが、一般の著作物には頒布権は認められていないため、頒布権が問題となる場合には、どちらに該当するかを判断する必要があります。

<解説>
著作権法は、著作物を、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義しています(著作権法第2条1項1号)。

そして、著作権法は、著作物の例示として、「映画の著作物」を挙げています(著作権法第10条1項7号)。
また、著作権法は、「映画の著作物」には、映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物を含むと定めています(著作権法第2条3項)。

なお、著作権法第10条1項(7号)は、あくまでも著作物を例示している規定です。
したがって、そもそも著作物でないもの(著作権法第2条1項1号の定義に該当しないもの)は、映画の著作物ともなりません。

以上の理由により、ゲームソフトの影像は、次の要件を全て充たすときは、映画の著作物となります。
(1)映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現されていること
(2)物に固定されていること
(3)著作物であること

上記(1)の要件は、一言でいうと、影像の連続により表現されていることをいいます。

上記(2)の要件は、著作物が何らかの方法により物に結び付くことにより、その存在、内容、帰属等が明らかになる状態にあることをいいます。
この点、ゲームソフトの場合には、プレイヤーの操作によりプレイごとに影像や音声が変化しますが、この変化は、プログラムによってあらかじめ設定された範囲内のものですので、原則として上記(2)の要件を充たします。