頒布権とは

＜Ｑ＞
頒布権とは、どのような権利ですか？

＜Ａ＞
１．
著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利（＝頒布権）を専有します（著作権法第２６条１項）。

ここで頒布とは、有償・無償を問わず、複製物を公衆に譲渡し、又は貸与することをいい、映画の著作物の場合は、公衆に提示することを目的として複製物を譲渡し、又は貸与することを含みます（著作権法第２条１項１９号）。

すなわち、頒布とは、複製物を「公衆に」譲渡・貸与することですが、映画の著作物の場合は、複製物（劇場用映画のフィルム）を「特定人」（映画館）に譲渡・貸与（配給）することを含みます（映画館には、映画の著作物を公衆に提示（上映）する目的があるため）。

２．
頒布権は、映画の著作物にのみ認められていますが、例外的に、映画の著作物において複製されている著作物（音楽・美術等）の著作者は、その著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有します（著作権法第２６条２項）。

映画の著作物の頒布に伴い、映画の著作物において複製されている著作物（映画で用いられている音楽・美術等）も頒布されるため、これらの著作物の著作者にも頒布権を認めているのです。