1.
金融庁の仮想通貨交換業者に対する行政処分が相次いでいます。
その理由は、交換業者の管理体制の杜撰さにありますが、金融庁が規制強化の方針を採っている(採らざるをえない)のも事実です。
2.
ところで、ビットコインとそれを支えるブロックチェーン技術の最も革新的な点は、政府等の中央集権的な管理者がいなくても、通貨の発行や決済(取引)を安全に行うことができる点にあります。
おそらく、ビットコインの発明者も、創成期の開発者たちも、政府(国家)から通貨の発行・管理権を奪うことによって、より理想的な世界を実現するというロマンを持っていたのだと思います(もちろん投機目的もあったとは思いますが)。
3.
近時の金融庁による規制強化の動きは、仮想通貨取引の健全な発展に向けたものとはいえ、ビットコインのロマンには逆行するものです。
しかも、政府や金融庁だけでなく、多くの人々(国民)が、交換業者を政府が厳格に管理することが好ましいと考えているようですので、政府から通貨の発行・管理権を奪うのは、なかなか難しそうです。
4.
ただ、金融庁が交換業者に対して多数の行政処分を発出している理由は、ビットコイン(ブロックチェーン)の技術の脆弱性にあるわけではなく、あくまでも交換業者の管理体制の緩さにあります。
それに、よく考えてみると、交換業者も、中央集権的な管理者に近い存在ともいえます。
5.
とすると、もしかしたら、将来、交換業者が必要なくなったときに、ビットコインのロマンが現実味を帯びてくるのかもしれません。
すなわち、(1)人々が、仮想通貨交換業者を介さずに、簡易かつ安全に仮想通貨取引(法定通貨との交換を含む)を行うことができて、(2)その仮想通貨が法定通貨と同様の機能を発揮できて、かつ、(3)マネーロンダリング等の課題を解決できるような、より進化した仮想通貨や技術が登場したときに、政府や交換業者のような中央集権的な管理者がいない仮想通貨が、通貨として真に定着して、世界を変えて行くのかもしれません。